好久不見(hao jiu bu jian)
中国語で「お久しぶり」と言う意味です。
新型コロナウイルス感染拡大が収まりません。最後の切り札と言われるワクチン接種もいつになったら順番が来るのかわかりません。順番が来てもワクチン接種はしたくないのが本心ですが、これから先はワクチンを接種しないと海外へは渡航出来ないようです。中国、台湾への現地買付のためにはワクチンを打つしかなさそうです。店舗の方は感染拡大防止のためにエタノールの自動噴霧器設置、殺菌効果の高い空気清浄機の設置、トイレの自動化などを行い、換気やテーブル・椅子のアルコール消毒を実施しています。お陰様で補助金も出ましたが自前の出費も結構な金額です。このコロナ対策や各種申請手続きなどに時間を取られ、気が付いたら相当時間が経ってしまいました。
このコラムも久しぶりの執筆になります。そこで、第9話は前回の復習と言うことで、オンラインショップのお客様からいただいたクレームのお電話についてのお話しです。このお客様のお話しでは、とある女優さんがテレビ番組に出演し「蜜蘭香はまるでマスカットのような香りがする」と絶賛されるのを見て、当店のオンラインショップで蜜蘭香をお買上になられました。届いてすぐにお茶を淹れてみたところ「まったくマスカットの香りがしないんですけど・・・」と言うことでお店に電話を掛けてこられました。香りや味については一般論として蜜のような蘭のようななどの感覚の世界ですので、人それぞれのこれまでに培った経験値によって様々です。例えば同時に数人で同じお茶を飲んで感想を話すとき、全員が同じ答えを出すことは少ないです。しかし、感覚の違いとは言え、マスカットではなくても他のフルーツ系あるいはフローラル系でもなく、このお客様のご感想はまったく違うものでした。
そこでお客様にどのようにお茶を淹れられたかをお尋ねしてみました。お電話でお話を伺いながら一つの問題点を思い浮かべていました。前回(第8話)コラムでお話しした茶器による味・香りへの影響についてです。案の定、このお客様は永年日本の緑茶を淹れるために使って来た陶器の急須で蜜蘭香を淹れたそうです。日本の緑茶は独得の渋みが特徴的です。しかも永年使い込んだ急須には緑茶の渋みがしっかりと吸着されています。この急須でマスカットの香りは無理ですね。ガラスか磁器の急須をお使いになるか、ガラスか磁器のカップで淹れてみることをご提案させていただきました。
※写真は可愛い豚さんの茶壷と南瓜の茶壷