おいしく愉しむ

コラム「お茶の壷」第三話
おいしいを探る旅はまだ始まったばかりですが・・・
ここでいったんおいしいお茶をおいしく愉しむことについて考えてみたいと思います。

先日ご来店いただいたお客様から「お店で淹れた時のお茶はすごくおいしかったんだけど、茶葉を買って自宅でお茶を淹れてみたところ、おいしいんだけどお店で飲んだ時ほどの感動が無かったんです。」とのお言葉をいただきました。
お茶の淹れ方、使うお水など、お店でお茶を淹れるときと条件が少しは違っているんだろうと想像しますが、一番違っていることは、お茶を飲む時のあなたの感性の違いなのではないでしょうか。

ここでちょこっとお店の宣伝。
おいしい中国茶の旺徳福の茶房では、”工夫式中国茶・台湾茶”を体験していただけます。
茶葉のご案内から始まり、茶器のご説明、おいしい淹れ方をご案内しながら、お客様がご自分でおいしいお茶を淹れて愉しんでいただけます。(お茶請け付 税込800円)
「中国茶教室や中国茶入門講座」のお問合せを受けますが、茶房で”工夫式中国茶・台湾茶”を体験されれば、中国茶教室に入門したのと同じです。例えばお友達と3人で体験すれば一度に3種類の中国茶・台湾茶をお愉しみいただけます。

さて、お話しを戻しますが、茶房で”工夫式中国茶・台湾茶”を体験されるとき、まずあなたは日常とは違う空間にいます。そしてご注文された茶葉がどんな香りを感じさせ、どんな味がするんだろうかと興味津々でお茶を愉しむ時間を過ごすことになります。五感を研ぎ澄ませ、集中力を高めながらお茶を愉しみ、そしてゆったりとした時間の流れとともに心も身体も癒されることでしょう。
もうお分かりですね。あなた自身の感性がお茶を愉しむことに向けられ、集中力が増しているからなのです。

お茶の愉しみ方は人それぞれ。喉の渇きを潤すお茶、様々な健康効果を期待していただくお茶、そしてリラックス・リフレッシュのためにいただくお茶。古来からお茶は生活の中に溶け込んできました。天の恵みへの感謝の気持ちを持っていただく一杯のお茶。おいしいを愉しむ心を持っていただくお茶は格別ですね。
おいしいお茶を淹れる技術より、おいしく愉しむ心を持つことが始まりなのかも知れませんね。

おいしい中国茶の淹れ方(もっとおいしく)

コラム「お茶の壷」第二話。
さて、第一話でお話しした中国茶・台湾茶のおいしい蒸らし時間は見つかりましたでしょうか?
茶葉の種類によって、あるいはお茶を淹れる茶器によっても味や香りの出方は変わりますが、基本は茶葉の量と、お湯の温度、そして蒸らす時間の関係性であることは前回お話しした通りです。
まずは蒸らす時間を探ることからはじめますが、自分がおいしいと感じる蒸らし時間で淹れたお茶に、たとえばもう少しコクのある味が出したくて蒸らし時間を少し伸ばしてみたら、確かに味は深みを増したけど少し渋みや苦味が出て来て満足できなかったなんてことありませんか?

そこで今回は「もっとおいしく」をテーマに中国茶を愉しみましょう。
そもそもお茶を淹れるとは、茶葉に含まれる成分を抽出すると言うことです。
成分を抽出するための基本は、茶葉の量、お湯の温度、蒸らし時間の関係性ですが、もっとおいしいお茶を愉しむために、それぞれの条件についてより深く探ってみましょう。

茶葉の量
蒸らし時間を一定の時間にしたとき、茶葉の量を多く使えばお茶は濃く入ります。茶葉の量を少なくすればお茶は薄く入ります。また、茶葉の量はお茶の濃さに影響するだけではなく、茶葉を多く使えばより短時間でお茶の成分を抽出できます。お湯の温度や蒸らし時間とも関係しますが、例えば岩茶の大紅袍を淹れるとき、コクのある味わいを引き出そうとして蒸らし時間を長めにしたら、コクのあるお茶は淹れられたけれど味に苦味が出てしまった。このような時には茶葉を多めに使い、蒸らし時間を短くすることでコクがあり苦味を抑えたお茶が淹れられます。

お湯の温度
お茶の風味の決め手は味と香りですが、お茶の旨味として抽出される代表的な成分はアミノ酸系の物質です。この旨味成分はお湯の温度にあまり関係なく溶け出してきます。蒸らし時間を長くすることでより多く抽出できます。
一方、茶葉からはアミノ酸系物質の他にタンニン(苦味)やカフェイン、タンニンによって作られるカテキン、また、ビタミンCなどの水溶性の栄養成分や香りの成分も抽出されます。お湯の温度が影響するのはタンニンや香りの成分です。タンニンはお湯の温度が高いほどより多く溶け出す性質があります。お湯の温度を低く下げれば苦味が出にくくなり、甘みを引き出すことができます。
香りの成分はどうでしょうか?
香り成分は揮発性のものですので、お湯の温度が高い方が香りが高くなる性質をもっています。一口に中国茶・台湾茶と言っても様々な種類の茶葉がありますので、茶葉によっておいしいお茶を淹れる温度も変わります。例えば中国を代表する緑茶である”西湖龍井”の場合は、お湯の温度を下げることでより甘味を引き出せます。でも、あまりに温度を下げ過ぎると栗のようなコクのある独特の香りが薄くなってしまいます。自分なりのおいしさを求めてお湯の温度をコントロールしてみましょう。

蒸らし時間
蒸らし時間(抽出時間)は同じ茶葉の量、同じお湯の温度でお茶を淹れる条件のもとでは、蒸らし時間を長くすれば茶葉の成分をより多く抽出することができますし、蒸らし時間を短くすれば抽出される成分は少なめになります。つまり、蒸らす時間の長さで茶葉の成分抽出量をコントロールすることができるということです。
コクのあるお茶を愉しもうとして、蒸らし時間を延ばせば確かにコクは感じられるようになりますが、同時に苦味や渋味も出てしまった。そんな時はどうすれば良いか?もうお分かりですね。茶葉の量を増やして短時間で抽出すれば良いってことですね。

茶葉の量、お湯の温度、抽出時間、この3つの条件の関係性を工夫して、もっとおいしい中国茶を探り出してください。

おいしい中国茶の淹れ方(おいしいを探る)

コラム「お茶の壷」第一話は”おいしいを探る”についてお話します。
おいしい中国茶の旺徳福WEBサイトの記事に次のように書いています。

お茶は嗜好品であり、「おいしい」という尺度は人それぞれ千差万別です。個人の好みやその日の気分、体調が、味覚に大きく影響します。道具や作法にこだわらず、楽しみながら経験を積んで、自分自身の「おいしさ」を見つけ出してください。

自分なりの「おいしさ」をどうやって見つけ出すの?
茶葉の良しあし、お茶を淹れるときに使うお水の水質と温度、お茶を淹れる茶器など様々な条件でお茶の風味や香りが異なります。どのような条件で、どのように淹れたか、おいしいと感ずるお茶が淹れられたか、これらを記憶に留めながら経験値を上げていくのが王道なのだろうと思います。
では、茶葉の良しあしの見分け方、お水についての知識、茶器の種類やその特徴など、学ぶことが多すぎていったいどこから始めたら良いのだろうか?益々迷いの深みにはまり込んでしまいますね。
茶葉の見分け方などこれらのことについては今後少しづつお話することにします。

まずは入門編としておすすめする方法をご案内させていただきます。
おいしいお茶を淹れる様々な条件については先に述べた通りですが、お家や仕事場でお茶を淹れるときに使う茶器はいつも決まったものをお使いになると思いますし、使うお水も同じかと思います。
そこでご提案です。おいしいお茶を淹れる基本は、茶葉の量と、お湯の温度、そして蒸らす時間の関係性です。
おいしいお茶を淹れる3つの条件のうち、まずは使う茶葉の量を常に一定にします。また、お湯の温度も一定にします。
そうすると変化する条件は蒸らす時間ですね。はじめは蒸らす時間で自分にとってのおいしいを探ることから始めましょう。45秒がおいしいと感じるか、1分がおいしいのか、あるいは1分20秒がおいしいと感じるか、自分にとっての最適な蒸らし時間を見つけ出してください。その日の体調によっても感じ方は変わると思いますが、徐々に自分にとってのおいしい蒸らし時間が見つかりますよ。おいしいお茶を淹れる蒸らし時間が見つけられたら、後はコントロールが自在にできるようになります。蒸らし時間を短くすれば少し薄めのすっきりしたお茶が淹れられますし、時間を延ばせば濃い目のどっしりした味が楽しめます。とは言っても、あまり濃いお茶はおすすめしません。お茶を飲む時間帯にもよりますが、眠れなくなったり、濃い液体はやはり胃に負担を掛けてしまいます。私の場合は少し薄めのすっきり系が好みです。

お湯の温度ですが、緑茶・白茶・花茶などは一度沸かしたお湯を落ち着かせて85℃前後がおすすめです。緑茶はお湯の温度が低目の方がより甘味を引き出せるようですが、あまり温度を下げてしまうと香りが薄くなってしまいます。龍井茶の場合は温度を下げても80℃くらいまで、清々しい香りを愉しむことをおすすめします。
青茶(烏龍茶)・紅茶・黒茶(プーアールなど)は100℃がおすすめ。あくまでも人それぞれの好みがありますが基本は100℃と思ってください。慣れてきたら少し温度を下げてどっしりとした深い味を愉しんでみましょう。お湯の温度を下げた場合は、蒸らしの時間を少し長めにするのが良いでしょう。
別の機会にお話ししますが、青茶(烏龍茶)・紅茶・黒茶の場合は一煎目は”洗茶”(せんちゃ/シィーチャァ)と言って、おいしいお茶をいただくために軽く蒸らします。茶葉のひらきを良くしてコンディションを整えるために行います。この一手間でお茶がおいしく入りますよ。あくまでもコンディションを整えるのが目的ですので、大量にお湯を注いだり、長い時間蒸らすのはもったいないです。茶壷(急須)をお使いなら半分より少し多めのお湯を注いで蓋をしたら、ゆっくり5つか6つ数えて茶海に移します。つまり実際に飲み始めるのは二煎目からってことですね。良い茶葉の場合は三煎目に味がぐっとのってきますよ。お茶を淹れる回数が進めば少しずつ蒸らす時間を延ばしてください。
※150㏄の茶壷(急須)の場合、使用する茶葉は4~5gほどが目安です。

さあこれであなたもおいしい中国茶・台湾茶を存分にお愉しみいただけますよ。
おいしいを探る旅の始まりです。

コラム「お茶の壷」連載スタート!

毎度当店をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。

突然ですが、皆さん楽しいお茶時間お過ごしですか。

当店では、お店のご案内と皆様のお茶に関するお役立ち情報を発信すべくWEBサイトを立ち上げました。
そして、WEBサイト開設以来随分と時間が経ちましたが、サイト内での記事執筆が一行に進まず
いったい何時になったらWEBサイトが完成するんだか途方に暮れているところです。
私自身まだまだ修行中の身であり、また若いころと違い今では老眼鏡のお世話になるありさまで、
パソコンの前で長時間作業することがこれまた大変でして・・・。

もともと奥の深い中国茶・台湾茶の世界を体系的にまとめるなどということは、
私ごときには無理難題。とは言え、何とかしなくっちゃと一念発起!
考えたついたアイディアは、ご来店のお客様との会話の中で出て来た疑問・質問や、
自分なりに気付いたことをコラム形式でブログに書き留めて、情報量が溜まった時点で
分類して体系化する。
良い考えだと思いませんか。
そこで今回から「コラム”お茶の壷(ツボ)”」としてスタートすることにいたしました。
思い付きのタイトルですので途中で変わるかも知れませんが、どうぞよろしくお願いいたします。