おいしく愉しむ(飲み方)

コラム「お茶の壷」第四話
前回は五感を研ぎ澄ませておいしく愉しむお茶についてお話ししましたが、では具体的にどのような飲み方をすればよいのでしょうか。
「おいしい」の尺度が人それぞれ千差万別であるように、お茶の飲み方に決まりがあるわけではありません。喉が渇けば大き目の茶杯でゴクゴク飲むのもありです。でも、中国茶・台湾茶に興味を持ち、よりおいしく愉しみたい方におすすめの飲み方をご案内しましょう。

はじめに小さめの茶杯を用意します。中国茶用の茶杯が無ければお酒を飲む時のお猪口でもいいです。小さめの茶杯を使うのはより集中力が増すからです。茶杯にお茶を注いだら、まずは茶杯の中のお茶水の色や透明感などを観察しましょう。親指と中指で茶杯の縁を持ち口元へ運んだら、人差し指で茶杯の上部と口元を覆い隠すようにします。茶杯の持ち方に決まりがあるわけではありませんが、このように茶杯を持つことで香りが散らないようにする効果があります。茶杯のお茶から立上る香りを愉しみましょう。
茶杯の中のお茶は三口で飲むと品が良いと言われています。”口”と言う漢字三つで”品”と言う字になるからだそうです。また、お茶を飲むことを中国語では”品茶”(ピンチャァ)とも言います。なので三口で飲む。ダジャレっぽい感じですが、実際にお茶を飲む時は三口で飲むのがおすすめです。

まず一口目を口に含みます。すぐに飲み込むのではなく、お茶を舌の上でしばらく転がすようにして、舌のすべての部分でお茶を感じるようにします。そして喉の奥へと運びます。
二口目。すでにお口の中もお茶の熱さになじんでいるので、お茶を含んだあとはお口の中全体でお茶を愉しみましょう。口先から少し空気を吸い込んでクチュクチュとお茶と空気を混ぜます。お口の中に拡がる香りもしっかりと愉しみます。なんだかワインのテイスティングみたいな感じですね。
三口目はご自分の感覚を確かめるようにゆったりとお茶をいただきます。喉の奥から戻ってくる香りを感じられたら上級者。愉しむこころでお茶をいただくことで、人間の感覚はさらに研ぎ澄まされていきます。より深く中国茶・台湾茶を愉しむことができるようになりますよ。
茶杯のお茶を飲み終えたら、最後に茶杯に残る香りを愉しみましょう。お茶水から立上る香りとは一味違う香りを愉しめますよ。