おいしい中国茶の淹れ方(もっとおいしく)

コラム「お茶の壷」第二話。
さて、第一話でお話しした中国茶・台湾茶のおいしい蒸らし時間は見つかりましたでしょうか?
茶葉の種類によって、あるいはお茶を淹れる茶器によっても味や香りの出方は変わりますが、基本は茶葉の量と、お湯の温度、そして蒸らす時間の関係性であることは前回お話しした通りです。
まずは蒸らす時間を探ることからはじめますが、自分がおいしいと感じる蒸らし時間で淹れたお茶に、たとえばもう少しコクのある味が出したくて蒸らし時間を少し伸ばしてみたら、確かに味は深みを増したけど少し渋みや苦味が出て来て満足できなかったなんてことありませんか?

そこで今回は「もっとおいしく」をテーマに中国茶を愉しみましょう。
そもそもお茶を淹れるとは、茶葉に含まれる成分を抽出すると言うことです。
成分を抽出するための基本は、茶葉の量、お湯の温度、蒸らし時間の関係性ですが、もっとおいしいお茶を愉しむために、それぞれの条件についてより深く探ってみましょう。

茶葉の量
蒸らし時間を一定の時間にしたとき、茶葉の量を多く使えばお茶は濃く入ります。茶葉の量を少なくすればお茶は薄く入ります。また、茶葉の量はお茶の濃さに影響するだけではなく、茶葉を多く使えばより短時間でお茶の成分を抽出できます。お湯の温度や蒸らし時間とも関係しますが、例えば岩茶の大紅袍を淹れるとき、コクのある味わいを引き出そうとして蒸らし時間を長めにしたら、コクのあるお茶は淹れられたけれど味に苦味が出てしまった。このような時には茶葉を多めに使い、蒸らし時間を短くすることでコクがあり苦味を抑えたお茶が淹れられます。

お湯の温度
お茶の風味の決め手は味と香りですが、お茶の旨味として抽出される代表的な成分はアミノ酸系の物質です。この旨味成分はお湯の温度にあまり関係なく溶け出してきます。蒸らし時間を長くすることでより多く抽出できます。
一方、茶葉からはアミノ酸系物質の他にタンニン(苦味)やカフェイン、タンニンによって作られるカテキン、また、ビタミンCなどの水溶性の栄養成分や香りの成分も抽出されます。お湯の温度が影響するのはタンニンや香りの成分です。タンニンはお湯の温度が高いほどより多く溶け出す性質があります。お湯の温度を低く下げれば苦味が出にくくなり、甘みを引き出すことができます。
香りの成分はどうでしょうか?
香り成分は揮発性のものですので、お湯の温度が高い方が香りが高くなる性質をもっています。一口に中国茶・台湾茶と言っても様々な種類の茶葉がありますので、茶葉によっておいしいお茶を淹れる温度も変わります。例えば中国を代表する緑茶である”西湖龍井”の場合は、お湯の温度を下げることでより甘味を引き出せます。でも、あまりに温度を下げ過ぎると栗のようなコクのある独特の香りが薄くなってしまいます。自分なりのおいしさを求めてお湯の温度をコントロールしてみましょう。

蒸らし時間
蒸らし時間(抽出時間)は同じ茶葉の量、同じお湯の温度でお茶を淹れる条件のもとでは、蒸らし時間を長くすれば茶葉の成分をより多く抽出することができますし、蒸らし時間を短くすれば抽出される成分は少なめになります。つまり、蒸らす時間の長さで茶葉の成分抽出量をコントロールすることができるということです。
コクのあるお茶を愉しもうとして、蒸らし時間を延ばせば確かにコクは感じられるようになりますが、同時に苦味や渋味も出てしまった。そんな時はどうすれば良いか?もうお分かりですね。茶葉の量を増やして短時間で抽出すれば良いってことですね。

茶葉の量、お湯の温度、抽出時間、この3つの条件の関係性を工夫して、もっとおいしい中国茶を探り出してください。